食中毒菌名 | 主な原因食品 | 菌の特徴 | 症状 |
腸炎ビブリオ | 魚介類(特に生食) | ・塩分を好む ・増殖がかなり速い ・夏~秋にかけて多発 |
激しい腹痛、下痢、嘔吐 |
サルモネラ | 鶏卵、食肉(特に鶏肉) | ・ペット(犬、猫ネズミなど)にも存在 ・熱に弱い |
激しい腹痛、下痢、嘔吐、発熱 |
病原性大腸菌O157 | 食品、飲料水全般 | ・強い感染力 ・潜伏期間が長い ・熱、消毒に弱い |
出血性下痢、水様性下痢、腹痛、嘔吐 |
カンピロバクター | 食肉(特に鶏肉)、飲料水 | ・ペット(犬、猫ネズミなど)にも存在 ・熱に弱い |
腹痛、下痢、嘔吐、発熱 |
黄色ブドウ球菌 | おにぎり、サンドイッチ、弁当 | ・人や動物に常在 ・調理中の手指を介す |
腹痛、下痢、嘔吐 |
ウェルシュ菌 | 食肉・魚介類・野菜などを使用した調理品(特に大量に作ったカレーやスープ等) | ・大量に食品を調理中(酸素が少ない状態)で増殖 ・熱に強い |
軽い腹痛や下痢 ※症状は軽く、回復は比較的早い |
作りおきをしたカレーや煮物料理などを食べて発症するケースが多い食中毒
「ウェルシュ菌」をご存じですか?
ウェルシュ菌は人や動物の腸管内や 土壌、下水などに存在。 肉や魚、野菜などの食材も付着し、 体内も大量に取り込まれると、 食中毒を引き起こす場合がある。 |
変な匂いがしたり、糸を引いたりしていれば、誰でも「これを食べたら危険かも」と怪しみますよね。ところが、ウェルシュ菌は見た目の匂いも全く変化させません。そのため、気づかず食べてしまいます。
グツグツ加熱すれば、熱に弱いたいていの菌は死滅してしまいます。ところが、ウェルシュ菌は熱に強い「芽胞(がほう)」というような状態になり、温度の下がったときに芽胞から菌が発芽します。そして急速に増殖してしまうのです。
たいていの食品は、保存するときになるべく空気に触れないようにするもの。ところが、ウェルシュ菌は酸素のないところが大好き。大鍋の底にあるカレーは空気に触れることなく、栄養もたっぷり。ウェルシュ菌にとっては理想的な環境で元気に繁殖してしまいます。
1.食品の購入
①消費期限などの表示をチェックしましょう。
②肉・魚はそれぞれ分けて包みましょう。(保冷剤や氷を入れて持ち帰りましょう)
2.家庭での保存
①買物から帰ったら、食品はすぐ冷蔵庫へ入れましょう。
②肉・魚は汁がもれないように包んで保存しましょう。
③冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持しましょう。
④冷蔵庫や冷凍庫に食品を詰め過ぎないように(7割程度に)しましょう。
3.下準備
①包丁などの器具・ふきんは洗ってから熱湯で消毒をして使用しましょう。
②冷凍食品の解凍は、冷蔵庫で行いましょう。
③肉・魚は生で食べるものの近くに置かないようにしましょう。
④こまめに手を洗いましょう。
4.調理
①加熱は十分にしましょう。(めやすは中心部分の温度が75℃で1分以上)
②調理を途中でやめた食品は、そのつど冷蔵庫へ入れましょう。
5.食事
①食事の前には手を洗いましょう。
②長時間室温に放置しないように気を付けましょう。
6.残った食品
①食品の保存は清潔な手・器具・容器で。
②早く冷えるように、小分けして保存しましょう。
③温めなおすときは十分に加熱しましょう。(めやすは75℃以上)
④時間が経ち過ぎていたり、ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てましょう。