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コラム「健康」

減量成功!でも腹囲が増えてる?!

2019年10月01日



先生、頑張って減量しました。でも、腹囲が前より増えています。
どうしてでしょう?????

  メタボ健診(特定健診)の評価判定の要(かなめ)となる測定項目であります腹囲(おなかまわり)の値は、『内臓脂肪量』推測のために厚生労働省によってH20年より導入されました。
 但し、腹囲測定値は基本、ウエストの値ではなく(誤解されている方は多いのですが)、おへその高さでの腹部全周値です。少し足を開いて、リラックスして自然に息を吐き出したところで計測します。但し、余りにもおなかが出っ張っていて、へその位置が、本来あるべき位置よりも下方にずれている(垂れている)方の場合には、肋骨下縁と骨盤(腸骨)との位置関係で測定する高さを調整しても良いという事になっています。(でも、そのようなお腹の方ははかるまでもなく、メタボ第一基準をまず満たしていますが・・)
 しかしながら、腹囲測定とはメジャーで図るという時点で相当おおまかな検査方法なのです。さらに息の吸い方とそのタイミングによりますし、太り気味の方ならば足の開き方一つでも変動するでしょう。

 さらに、この方法は、『腸管内ガス』の影響を非常に受けやすい、値が変動しやすい方法なのです。腸管ガスは、気体ですので、容積、ボリュームがそれなりに有る割に密度がかなり低く脂肪や筋肉に比べれば限りなくゼロに近いわけですし、日々というより数分単位で、量や位置が変動する腸管内ガスの影響を腹囲測定値はまともに受け変動します。受診者の方から、「この一年とても努力をして体重がこれだけ減ったのに、どうして腹囲は減っていないのか、むしろ増えているのは何故?」という声が時に聞こえてきます。

 その要因のほとんどが、この腸管ガスの変動によるものと推測されます。

 つまり、腹囲値は不確定要素である腸管ガスによって、特にゆらぎが生じやすいものなのです。勿論、腸管ガスの有無、多少に腹囲測定値が影響されないほど太っている場合や逆にかなり痩せている場合にはメタボ「判定」には影響は出ないのですが、境界領域、ボーダーライン上に該当する方の場合、ほんのわずかガスが貯留「する、しない」だけでメタボ該当、非該当に簡単に揺れ動き変化する事があります。

 そもそも、誰でもいつでも簡単に測定できるという利点が大きくありますメジャーでの測定法はしかしながらその分、簡便法というそしりは免れないでしょう。

 厳格にて理想的な方法、選択肢としては、腹部CT検査にて臍の高さの水平断面図で腹部脂肪面積を計算して内臓脂肪量を推測するという方法もあるのですが、膨大な数の受診者にCT検査の機会を提供することは中々難しく、且つ、レントゲン線被爆の懸念もあり、実際には現在の方法が残りました。

 よって、腹囲測定値の増減で一喜一憂する必要はありません。むしろ体重増減やBMIを目安にされるようお勧めします。結果として、努力の成果として、体重が以前より減り、中性脂肪値や肝機能が改善すれば、要はそれで充分なのです。

 
 


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