先生、視力検査で欠けている所がもわっとして答えられません。目を細めて何とか見ようとしているのですが、駄目ですか? |
勤務先、職場環境での、通常視力を測ることが視力測定の基本原則です。
よって、視力測定の際に持参し忘れてはいけないものが、眼鏡やコンタクトレンズ等の矯正具です。 裸眼視力で生活も仕事もこなしているという方は勿論そのままで良いのですが、そうではない方は 職場で用いている矯正具=眼鏡なりコンタクトレンズ、もしくは両方を必ず持ってきてください。検査内容によっては眼圧検査も受けている場合がありますので、コンタクトレンズを日常的に使用されている方の場合、取り外しができるようソフトレンズ装着の上、容器(もしくは眼鏡)も持参されるようお願いします。
視力測定の手順についてですが、5m先にあるランドルト環という輪、一部が欠けた環状の図形の、その欠けた方向を「上、下、右、左」と答えて、視力の値を評価する方法が標準的視力測定です。現状では、裸眼、矯正視力のいずれかを測定していますが、基本、仕事で用いている方で測定すべきです。要望があれば両方、測定することも可能ですし、報告書に載せることもできます、
そして、ここが重要ですが、本来は目をこらさないで、細めないで視力を測ることが測定の際の必要要件です。よって、推測や見当で(当てずっぽうで方向を)云うのは不適切な方法ですので、すべきではなく推測で当てている時点で、終わりにすべきでしょう。それと、視力測定値が揺らぎやすい方が一部におります。随分と前回値と異なるが、視力変動の手ごたえがない場合には、「乱視」が組み合わさっていることが多いようです。
ここで、皆様に簡単な質問です。疲れ目と眼精疲労とはどう異なるのでしょうか。(用語使用上のポイントです。)
疲れ目とは、眼球・外眼筋のみが疲れている状況です。眼精疲労とは、疲れ目が昂じたために、全身症状が発現した病態を指します。肩こり、頭痛、嘔気、めまい等などです。ご存知のように、現代社会ではパソコン、スマートフォンが仕事や生活上で手離せない重要なツール、いわば必需品に成っているわけですが、その分、高精細な画面上の小さな文字、そうした文字への凝視によって酷使されている眼への負担が、近年とりわけ大きくなっています。1時間のパソコン作業、デスクワークにつき、数分間休んで軽いストレッチ運動等で体を動かすことは、体にとっても、目にとっても、非常に良いことです。その際に、遠くの景色を見たり、目薬を点眼するのも、暖かい濡れタオル(夏場は冷たい濡れタオル)で目を覆うのも疲れ目軽減の良い方法でしょう。そうした短時間の休憩を、職場環境上とれないと主張される方の場合、ここだけの秘密ですが、トイレに行く形にすれば、気兼ねなく瞬間的に休憩が取れますとアドバイスをしておきましょう。