Q. 健康診査の日は朝食を抜いて来てくださいと指示がありました。なぜなのでしょうか?
A.それは食事を取った後では、健康診断の正確な実施・評価ができず検査結果に影響が出るためです。
特に食事摂取の影響を受けるのが血液検査です。また、画像検査に分類されます腹部超音波、胃バリウム、胃カメラでは状況によって検査中止となることもあります。皆様が受けられる健診は、健保組合様もしくは事業所様との契約内容によって決められているものがほとんどです。
健診内容によっては、食事制限が不要な場合も稀には有ります。
例としては、胸部写真のみ、または有機溶剤検診など特殊検査のみ受けられる場合です。
ですから基本的に、指示されたように絶食の状態で施設に来所されるようお願い致します。
中には、「食事はだめだも、コーヒーやガム、飴玉は食べ物ではないので大丈夫でしょう」と思われる方も中にはおられますが、基本、カロリーのあるジュース、砂糖やクリームを入れたコーヒーやガムの摂取も控えるようお願い致します。ノンカロリーとラベルされている飴玉も厳密にはノンカロリーのものはほとんどありませんので、飴玉も控えるようお願いします。
但し、現在糖尿病治療中のため、数時間絶食になると低血糖症状を来し易い方は、食事の影響を受ける検査をなるべく先にまとめて実施して、少し栄養を摂っていただきますので、健診前や当日の問診時にお問い合わせください。
先に述べたように、絶食が必要な検査には血液検査以外にも、超音波、胃カメラ、胃バリウム検査が有ります。
食事をしますと、胆のうは内側にためている胆汁酸を十二指腸に分泌するため、袋はしぼんでしまい内腔の観察が不可能、困難になってしまいます。
また、腸管に流れ出た食物は膵臓の前側で徐々に流れていくため、超音波ビームを遮り、膵臓などもかなり見えにくくなります。
超音波だけではなく、胃カメラや胃バリウムでは、食物残渣が胃の中にあると死角ができたり紛らわしいかげ(陰影)ができるため、精度の高い観察と評価ができないことになります。
以上の医学的事情から健診前日の21時以降は絶食をお願いしております。
尚、追記しますと間違って前日深夜、当日の朝に間違えて食事を摂取した際には、ご連絡なりご相談をお願いします。
申告していただいた内容を検討の上、検査実施に支障が少ないのか、後日に検査を延期するべきなのかを判断させていただきます。